No.056

遠野物語

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LYRICS

『遠野物語』

ひとすじの影が横切るの
信号待ちの足もとで
見上げる金色の瞳
白いネコがいざなうの
懐かしいあの場所へと…

天狗の森をみんなで歩けば
遠くで聞こえてる
山神様の笑い声
小川で涼みながらかじる
冷たいスイカを
河童の親子が狙ってる

喉鳴らして眠る白いネコは
いつでもおばあちゃんの膝の上
呼んだって知らんぷり
大あくびをしているの
頬撫ぜる暖かな風

懐かしい日々の物語




お日様の香り吸い込んで
みんなのもとへ走り出す
ついて来る賑やかな足音
仔狐たちが駆け回る
美しいこの世界を

茅葺の屋根、藁と土の壁
柱時計の音
やさしく時を刻んでいた
パチパチ 炭火が燃えている
囲炉裏端では
座敷童が眠ってる


雪女が雨戸叩く夜は
囲炉裏でおばあちゃんのキノコ鍋
白いお餅膨らんで
寒くても暖かい
笑い声が溢れていたよ

幼い日々の物語


あの街を離れて
いくつ春を越えたのだろう
おばあちゃんになった母と
白い子ネコの甘え声が
電話の向こうから…
聞こえてる


不思議なモノなど何もない
東京の空の下で
忙しい日々に追われてる
今もあの風を思い出す

遠い記憶の物語
🌐 **テーマ分析**
柳田國男の『遠野物語』の世界観を、現代に生きる者の郷愁(ノスタルジー)として鮮やかに再構築した、美しくも妖しい伝承の回想録である。河童や座敷童、雪女といった異形のモノたちが、おばあちゃんの家の一部として、キノコ鍋や猫と同じ地平に存在していた「豊かなる幼少期」。都会の空の下で忙しさに追われながら、心の深層にある「金色の瞳の白猫」に導かれ、異界の風を思い出す。それは、失われた原風景への祈りであり、自分自身の根源にある「不思議な物語」へと帰還するための、孤独で温かな鎮魂の物語。

⚙️ **歌詞の工夫点**
「茅葺の屋根、藁と土の壁」といった具体的な日本の農村風景に、時計の音や囲炉裏のパチパチという音を重ね、多層的な感覚で過去を現出させている。母が「おばあちゃん」になっていく時間の残酷な流れと、受け継がれる物語の連続性を、電話の向こうの声を媒介に描く構成が秀逸。目に見えるもの、不思議なものなど何もない東京の空と、神々が笑う山を対置することで、現代人が合理性の影に葬り去った「畏怖」と「静寂」の価値を鮮やかに喚起し、聴き手を遠い記憶の迷宮へと誘う。

🎤 **注目すべきパンチライン**
**「不思議なモノなど何もない 東京の空の下で 忙しい日々に追われてる 今もあの風を思い出す」**
(解説)
怪異さえもが隣人だった故郷に対し、すべてが解明・管理された合理社会の空を「不思議なモノなど何もない」と定義する、ある種の空虚。便利さと引き換えに喪った「魂の深み」を、懐かしい風の記憶が静かに、だが執拗に揺さぶり続ける、本作の最も切ない到達点。
Lyrics Analysis generated by Google Gemini AI