No.163

塵芥

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LYRICS

知らないうちに目線が下がって
路傍の石が友達になった

なんとなくおしゃべりで
なんとなく後ろ向きなやつだった
そんなアイツの話を私は
いつもうわの空で聞いていた
錆びた標識 濁った水たまり
誰も拾わない夕方の色
しゃがみこんだまま見ていた世界は
少しだけ呼吸がしやすかった

アスファルトの地面にアイツはいない
少し静かになるし整った形をしてるけど

その沈黙は
うるさいと思わせるには十分だった

かけたアスファルトは好きじゃない
足しか引っ張らないから
綺麗にならされた道の上じゃ
つまづくことすら許されない

塵芥
風に飛ばされるだけのもの
そのほうがまだ自由だった
黒く塗り潰された地面の下で
声だけがまだ擦れている

まぶしいだけの朝焼けを
誰かが綺麗と呼んでいた

私は少し笑ってしまって
少しだけ靴底を見ていた
排水溝に落ちた言葉たちは
どこにも流れず腐っていく

でもアイツなら退屈そうに
それでも最後まで聞いていた

誰かが決めた白線ばかり
道筋みたいに並んでいた
踏み外さないように生きるほど
自分の形が削れていく

雑音ばかりだと思ってた
あの小石の声が消えてから
静かな夜が
こんなにも耳障りになるなんて

かけたアスファルトは好きじゃない
全部同じ顔になるから
ひび割れ一つない世界には
息を隠す場所もない

塵芥
名前も持てないものたちが
風の隅でまだ笑ってる
蹴飛ばされても残ったカケラだけ
やけに本物だった

誰も気づかないまま埋められて
誰も困らないまま固められる

そんなふうに消えていくなら
最初から綺麗じゃなくていい
汚れたままでよかった
欠けたままでよかった
アイツの転がる音だけが

妙に優しかった

かけたアスファルトは好きじゃない
足しか引っ張らないから
どこへ行くにも決められていて
それを自由と呼ぶから

塵芥
捨てられるだけのものなら
せめて風くらい選ばせてよ
黒く固まったこの世界の上を
今日も私は睨んでる

知らないうちに目線が下がって
路傍の石が友達になった
今なら少しくらい
ちゃんと話を聞ける
気がした
20:48
🌐 **テーマ分析**
社会の「白線」から外れ、名前も持たない「塵芥(ちりあくた)」として生きる者の孤独と、その中にある確かな体温を描いた叙情的な一曲である。綺麗に舗装された「つまづくことすら許されない」世界への違和感を、路傍の石や割れたアスファルトといった無機質なメタファーを通じて鮮烈に表現。欠けていること、汚れていることを否定せず、むしろそこにこそ「本物」が宿ると説く視点は、疎外感を抱える現代人への静かな救済となっている。

⚙️ **歌詞の工夫点**
「目線が下がる」という動作をきっかけに、路傍の石を「友人」として擬人化する構成が秀逸である。石の「おしゃべり」や「転がる音」という聴覚的な要素が、静まり返った完璧な世界の「耳障りな沈黙」と対比されており、主人公の孤独な内面を立体的に浮かび上がらせている。また、朝焼けを「まぶしいだけ」と切り捨て、靴底を見つめる心理描写が、理想化された美しさへの抵抗と、等身大の自己への執着を見事に体現している。

🎤 **注目パンチライン**
**「塵芥 / 名前も持てないものたちが / 風の隅でまだ笑ってる / 蹴飛ばされても残ったカケラだけ / やけに本物だった」**
価値がないと切り捨てられ、誰にも気づかれず埋められていく存在。しかし、どんなに虐げられても消えない「カケラ」こそが、装飾だらけの世界において唯一の真実であると断じる、本作の核心を突く一節である。
Lyrics Analysis generated by Google Gemini AI